1拍は「曲の心臓」
前の回では音の「高さ」を見た。メロディにはもう1つ、大事なものがある。それが音の「長さ」と、長さが組み合わさってできるリズムだ。
好きな曲を聞きながら、自然に体がゆれたり、つま先でトントンとリズムをとったりしたことはないかな。そのトントンが拍(はく)。心臓のドクドクのように、曲の最初から最後まで、同じ間かくで鳴り続けている見えない時計のようなものなんだ。
下のボタンを押すと、第1回の歌に「カッ、カッ」というメトロノームの音が重なる。カッに合わせて手をたたいてみよう。
歌の音は、拍の上にのって並んでいる。拍がそろっているから、何人で歌っても、楽器と合わせても、ずれずに演奏できるんだ。
2テンポ:拍の速さ
拍が鳴る速さをテンポと呼ぶ。テンポは「1分間に拍がいくつあるか」で表して、単位はBPM(ビーピーエム)。BPM60なら1秒に1拍、BPM120なら1秒に2拍だ。
同じ歌を、テンポだけ変えて聞いてみよう。
70だと、しっとりしたバラードみたい。140だと、はずむような元気な曲に聞こえる。同じメロディでも、テンポで曲の印象は大きく変わるんだ。目安として、バラードはBPM60〜80くらい、よく聞くポップスは100〜130くらいが多い。作曲するときは、まず「どんな気分の曲にしたいか」からテンポを決めるといいよ。
3小節と拍子:拍を数えるまとまり
拍はずっと同じように続くけど、人は「1・2・3・4、1・2・3・4」と、いくつかずつまとめて数えている。このまとまりを小節(しょうせつ)と呼ぶ。楽譜で縦の線に区切られている1区切りが1小節だ。
1小節にいくつ拍があるかを決めているのが拍子(ひょうし)。4拍でひとまとまりなら「4分の4拍子」、3拍なら「4分の3拍子」。小節の1拍目は少し強く感じられて、ここが「数えなおし」の合図になる。
3拍子は、ワルツのようにくるくる回る感じ。4拍子は、歩いたり走ったりするような、まっすぐ進む感じがする。J-POPやアニメの歌のほとんどは4分の4拍子だから、この講座もぜんぶ4拍子でつくっていくよ。
| テンポ | 拍の速さ。BPMで表す。(例:BPM 100) |
|---|---|
| 拍子 | 拍をいくつずつ数えるか。(例:4分の4拍子=4拍で1小節) |
つまり、テンポを変えても拍子は変わらないし、拍子を変えてもテンポは変わらない。ピコの「同じじゃないの?」の答えは、「別のもの」だね。
4音の長さは「何拍ぶんか」で数える
拍がわかると、音の長さも数えられるようになる。音の長さは、秒ではなく「何拍ぶん」で数えるのが作曲のルール。テンポが変わっても、長さの関係はくずれない。
下の3つは、どれも1小節(4拍)ぶん。横の長さが音の長さだよ。押して聞きくらべてみよう。
1つ目は1拍ずつ、きっちり4つ。2つ目は最初の音を2拍のばしたので、ゆったり聞こえる。3つ目は半拍の音を混ぜたので、はずんだ感じになった。同じ「4拍」でも、長さの組み合わせで、リズムの表情はいくらでも変えられるんだ。
この「横の長さ=音の長さ」という見かたは、第5回で使うピアノロールとまったく同じ。ここで慣れておくと、あとがぐっと楽になるよ。