作曲講座(初歩編) / A 音のきほん / 第1回

第1回 ・ 音のきほん

作曲ってなに?

読む時間 約6分楽器いらない楽譜が読めなくてOK
ピコ
ピコ作曲って、楽器も楽譜もできないと無理だよね…?
ゴンタ先生
ゴンタ先生鼻歌が歌えれば大丈夫だよ。まずは、曲が何でできているかを見てみよう。
ピコ
ピコ鼻歌でいいの!? それならできそう!
この回でできること

好きな曲を「メロディ・歌詞・伴奏」の3つに分けて聞ける

1作曲は「頭の中の歌を、形にすること」

お風呂や帰り道で、鼻歌を歌ったことはある? 知っている曲じゃなくて、なんとなく思いついたフレーズを口ずさんだなら、それはもう作曲の第一歩なんだ。

作曲というと、ピアノの前で難しい楽譜を書いている姿を思いうかべるかもしれない。でも本当に大事なのは、頭に浮かんだ音の並びを、あとで同じように鳴らせる形にのこすこと。昔はそのために、楽譜を書くか、楽器でひいて体で覚えるしかなかった。

今はちがう。スマホやパソコンで音を並べれば、機械がそのとおりに鳴らしてくれる。このサイトの「作曲ラボ」なら、並べた音をピコとゴンタがロボ声で歌ってくれる。だから楽器がひけなくても、楽譜が読めなくても大丈夫。いちばん必要なのは「こんな感じがいいな」と思える耳のほうだよ。

2曲は3つの部品でできている

ふだん聞いている歌は、ほとんどが次の3つの部品を重ねてできている。

  • メロディ歌の「ふし」。音の高さと長さの並びのことで、鼻歌で歌えるのはこの部分。
  • 歌詞メロディにのせる言葉。日本語の歌では、ふつう1つの音に1文字ずつのる(「きゃ」のような小さい字は前の字とまとめて1つ)。
  • 伴奏歌を後ろで支える音。ピアノやギターの和音、低いベース、ドラムなど、歌以外の音ぜんぶ。

言葉だけだとピンとこないから、実際に聞いてみよう。下の4小節は、この講座のために作った短い歌。ボタンを①から順に押すと、部品が1つずつ重なっていくよ。

ピンクの音符を押すと、その音だけピコが歌うよ。上の青い文字(C・F・G)は伴奏の和音の名前。

①はメロディだけ。言葉がないから、全部「ら」で歌っている。これだけでも、どんな曲なのかはなんとなく伝わるよね。

②で歌詞がのると、急に「歌」らしくなる。同じ高さ・同じ長さの音でも、言葉がつくと意味と気持ちが乗るんだ。

③で伴奏が入ると、音に厚みが出て、明るい・さびしいといった雰囲気がはっきりする。楽譜の上の「C」「F」「G」は、伴奏で鳴らす和音(コード)の名前。コードは第10回でくわしくやるから、今は「伴奏の設計図」くらいに思っておけばOK。

ことばの話:音楽の仕事では、メロディをつくることを「作曲」、歌詞を書くことを「作詞」、伴奏をつくることを「編曲(アレンジ)」と呼び分けることもある。この講座では、3つをまとめて「1曲つくる」ことを作曲と呼ぶよ。

3好きな曲で、部品を探してみよう

3つの部品は、聞きかたのコツがわかれば、どんな曲でも聞き分けられる。好きな曲を1曲選んで、次の順番で聞いてみて。

  1. いっしょに口ずさむ。口ずさめる部分がメロディ。
  2. 歌詞を見ながら聞く。1つの音に1文字ずつ、言葉がメロディにのっていることを確かめる。
  3. 歌の後ろに耳をすます。ドラムの「ドン・タン」、低い「ブーン」というベース、「ジャーン」という和音。これが伴奏。

聞いていると、歌が始まる前の前奏(イントロ)は伴奏だけで、メロディがまだないことに気づくはず。反対に、伴奏がすっと消えて歌だけになる瞬間がある曲もある。部品を出したり消したりするのも、曲づくりの工夫のひとつなんだ。

4この講座のゴール:8小節のサビを1曲

全12回を終えると、こんな歌がつくれるようになる。メロディ、歌詞、伴奏、それにドラムまで入った8小節。「サビ」は曲の中でいちばん盛り上がる部分のことで、短いけれど、1曲として人に聞いてもらえる長さだよ。

5〜6小節目は1〜2小節目と同じ形のくり返しで、これも立派なテクニック(第8回でやるよ)。

今は楽譜が読めなくても、コードの意味がわからなくても気にしなくていい。第1章で音の高さと長さ、第2章で楽譜とピアノロールの見かた、第3章でメロディと歌詞、第4章でコードとドラム。1回ごとに部品が1つずつ増えて、最後にこの形になる。

やってみよう

ロボ声に歌わせてみる

  1. 下のボタンで「作曲ラボ」をひらく。
  2. 「本日のプログラム」のはじめましてを押す。メロディに歌詞がのった、短い歌が始まるよ。
  3. 「リクエスト」に自分の名前をひらがなで書いてこの歌詞で歌ってもらうを押す。いちばん上の「うたう人」でゴンタに切りかえて、もう一度歌ってもらおう。

今日はメロディを自分でつくらなくてOK。言葉が音の高さにのると「歌」になる感じを、耳でつかんでおこう。

作曲ラボをひらく

まとめ

  • 作曲は、頭に浮かんだ歌を形にすること。楽器や楽譜ができなくてもはじめられる。
  • 曲は「メロディ・歌詞・伴奏」の3つの部品でできている。
  • 好きな曲を、3つの部品に分けて聞いてみよう。
ゴンタ先生
ゴンタ先生次回は「音の高さ」。ドレミが鍵盤のどこにあるかを見ていこう。

ことばメモ

作曲
曲をつくること。この講座ではメロディ・歌詞・伴奏をまとめてつくることを指す。
メロディ
音の高さと長さの並び。歌の「ふし」。
歌詞
メロディにのせる言葉。
伴奏
歌を後ろで支える、歌以外の音。
コード
伴奏で鳴らす和音のこと。C・F・G など。→ 第10回
サビ
曲の中でいちばん盛り上がる部分。
小節
拍をいくつかずつ区切ったまとまり。楽譜の縦線で区切られる。→ 第3回